飲食店のDXとは?導入するメリットや成功事例を紹介!

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原材料価格の高騰や人手不足といった経営課題へ対応するため、DX(デジタルトランスフォーメーション)を導入する飲食店が増えています。

とはいえ「何から手を付けていいかわからない」「費用対効果が不透明」と感じている飲食店経営者の方も多いのではないでしょうか。

本記事では飲食店でDXを導入による具体的なメリットや成功事例を5つ紹介します。また、導入時に直面しやすい課題とその解決方法、スムーズに導入するためのステップについても解説するので、ぜひ最後まで読んでください。

目次
  1. 飲食店DXとは?
  2. 飲食店がDXを急ぐ3つの理由
    1. 人手不足の解消
    2. 原材料価格の高騰
    3. 顧客体験の高度化
  3. 成功事例5選
    1. お掃除ロボットのレンタルサービスを導入(サトフードサービス)
    2. 配膳ロボットの導入(すかいらーくホールディングス)
    3. 業務改善アプリkintoneの導入(幸楽苑ホールディングス)
    4. 回転レーン上で寿司カバーの異常を検知・防止できる新AIカメラシステムの導入(くら寿司)
    5. セルフレジ、セルフオーダーシステムの導入(大阪王将)
  4. 導入ステップと社内体制作り
    1. 課題の洗い出し
    2. スモールスタート
    3. 効果検証・社内体制作り
    4. 全店舗展開・継続改善
  5. 費用と回収シミュレーション
    1. DXを導入する際に使える助成金
    2. 費用回収シミュレーション(例:おそうじレンタル)
  6. DX推進でつまずく5つの落とし穴
    1. ツールの乱立と連携不足
    2. 従業員のITリテラシー不足
    3. 初期コストの高さ
    4. 現場オペレーションとの不一致
    5. 導入後のサポート・更新不足
  7. まとめ

飲食店DXとは?

前回の調査に比べ、原材料価格の高騰が影響して「食材費の削減・最適化」の割合が特に増加しています。これらの課題の解決にはデジタル技術を取り入れて業務改善を図れるDXの導入が効果的です。調査によるとDXを導入している飲食店の割合は58.3%で、前回調査(57.7%)から微増しています。DX導入による効果の実感が高かったものは以下の通りです。

同調査では飲食店の抱える経営課題を解決するためには、DXの導入が有効であることが判明しました。

飲食店がDXを急ぐ3つの理由

飲食店でDX導入を急げば現在抱えている人手不足の解消、原材料価格の高騰といった経営課題を解決することができ、さらに顧客体験の向上を見込めます。

人手不足の解消

DXの推進によってPOSレジや勤怠管理ソフト、財務管理システムなどといったデジタルツールの導入することで効率よく業務を遂行でき、限られた人員でもサービスの質を落とさず店舗運営が可能となるため、人手不足の解消につながるでしょう。

原材料価格の高騰

食品産業は人口減少や高齢化や原材料価格の高騰などにより厳しい状況に直面しています。このような状況ではDXの導入が有効で、業務の効率化により人件費を削減することや対顧客のコア業務へ注力していくことで原価高騰への対応することができるでしょう。

顧客体験の高度化

POSレジの導入により販売データの自動蓄積し、さらに顧客の購買傾向を分析することで、パーソナライズされたサービスの提供が可能になります。また、モバイルオーダーやセルフレジの導入により、顧客の待ち時間を短縮できます。

成功事例5選

DX導入の成功事例を知れば、導入のイメージがより具体的になります。ここでは国内の飲食店での成功事例を5つ紹介します。

お掃除ロボットのレンタルサービスを導入(サトフードサービス)

サトフードサービスでは、業務用ロボット掃除機のレンタル事業を手がける株式会社リ・プロダクツの「おそうじレンタル」を和食さと全197店で導入しました。

「おそうじレンタル」

導入の目的

導入の効果

配膳ロボットの導入(すかいらーくホールディングス)

すかいらーくグループは、2021年11月ごろからネコ型配膳ロボット「BellaBot(ベラボット)」を全国の店舗に導入し、1年4ヶ月で全国2100店舗(ガスト、バーミヤン、ジョナサン、しゃぶ葉など)に3000台を導入しました。

ネコ型配膳ロボット「BellaBot」

導入の目的

導入の効果

業務改善アプリkintoneの導入(幸楽苑ホールディングス)

ラーメンチェーン店の幸楽苑は、1日に約30通届く問い合わせメールに対応するため、プログラミング無しでアプリを作れるkitone を導入しました。

業務アプリkintoneをカスタマイズし、メールワイズと連携

導入の目的

導入の効果

回転レーン上で寿司カバーの異常を検知・防止できる新AIカメラシステムの導入(くら寿司)

くら寿司株式会社は、2023年3月より、相次ぐ飲食店での迷惑行為を防止し、顧客の安心感を向上させるために新AIカメラシステムを導入しました。

新AIカメラシステム

導入の目的

導入の効果

セルフレジ、セルフオーダーシステムの導入(大阪王将)

大阪王将では約200店舗でセルフレジ、セルフオーダーシステムを導入しました。

ALL POSシステム(セルフレジ+セルフオーダーシステム)

導入の目的

導入の効果

導入ステップと社内体制作り

飲食店でDXを導入する際「店舗業務の最適化」「段階的なアプローチ」を両立させることが重要です。

課題の洗い出し

DXを導入する前に、まずは「ピーク時に配膳・会計を担当する人員が足りない」、「レシピのマニュアル化が進んでいない」、「店内および厨房の清掃に時間がかかる」などといった、現状の課題を洗い出しましょう。

現状の課題を明確にすることで、どの業務にDXを導入すべきかの優先順位が見えてきます。たとえば、配膳・会計の人手不足にはセルフオーダーシステムや配膳ロボットの導入、清掃業務には清掃ロボットの活用が効果的です。

スモールスタート

洗い出した課題を参考に効果が出やすい業務を絞って試験的にDXを導入しましょう。スモールスタートで進めることで大規模な初期投資を避けることができ、導入リスクを最小限に抑えることができます。

また、現場のオペレーションとの相性や導入ツールの有効性を実際に検証することで、本格導入前に潜在的な課題や改善点を把握できます。

効果検証・社内体制作り

スモールスタートで導入したDX施策の成果(回転率の向上、注文ミスの減少、人件費削減など)を可視化してスタッフや経営層に共有します。導入効果を段階的に検証・報告していくことで、スタッフの理解が得られ、他の業務や店舗に展開するための投資に納得してもらえるようになります。

このような取り組みが評価されれば現場のモチベーションが向上するだけでなく、改善提案が通りやすくなるなど、社内体制に良い影響を与えるでしょう。

全店舗展開・継続改善

スモールスタートで成功した事例を他店舗や他業務へと横展開する際には、それぞれの現場の状況や課題を事前に把握して最適なシステムを選定・導入することが重要です。単なるシステムの横流しではなく、現場ごとの特性に応じたカスタマイズが成功の鍵となります。

また、段階的に導入を進めながら、現場からの定期的なフィードバックを取り入れることで、導入後の業務効率化やトラブルの早期発見・解決を図る体制を構築することも重要です。

費用と回収シミュレーション

飲食店でDXを導入すれば人件費削減しつつ顧客満足を向上することができます。一方、スモールスタートで導入しても初期コストが高額となるため、ここではDX導入の際に使える助成金の一例やそれを使った費用回収シミュレーションについて解説します。

DXを導入する際に使える助成金

まずはDXを導入する際に使えそうな助成金について紹介します。

IT導入補助金

中小企業や小規模事業者がITツールを導入する際の費用の一部を支援する制度で、POSレジや予約管理システムなどの導入が対象となります。

導入するITツールの1/2〜2/3が補助され、申請枠によって異なりますが補助額は最大で450万円です。

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者が販路開拓や業務効率化を図るための取り組みに対して支援を行う制度で、DX関連の取り組みも対象となります。

原則として導入するシステムの費用の2/3、通常枠の場合、最大で50万円が補助されます。

詳細な情報や申請方法については、各制度の公式サイトや自治体の窓口で確認してください。

費用回収シミュレーション(例:おそうじレンタル)

掃除の負担を軽減できる分、他のサービスの質向上および店内を清潔に保てるため顧客満足度向上効果も期待できます。

DX推進でつまずく5つの落とし穴

飲食店がDXを導入する際には、多くのメリットがある一方で、いくつかの落とし穴(課題)が存在します。

ツールの乱立と連携不足

POSレジ、予約管理、モバイルオーダー、会計など、それぞれ別ベンダーのツールを導入するとデータの一元管理が難しくなり、連携できないため逆に手間が増えてしまうことがあります。「DX疲れ」しないためにも導入するツールについて事前にしっかり調査し、データを一元管理できる物を選ぶようにしましょう。

従業員のITリテラシー不足

新しいツールを導入しても、現場スタッフが使いこなせないと意味がありません。アルバイトや高齢のスタッフにとっては、操作が難しく現場が混乱するといったケースも少なくありません。

複雑なツールではなく直感的に操作できるものを選ぶ、スタッフへの教育やマニュアル作りを徹底するなどの対策を講じましょう。

初期コストの高さ

高性能なPOSレジや配膳ロボットなどは初期費用が数十万〜数百万円になることもあり、特に小規模店舗にはハードルが高くなってしまいます。

高価なツールでも適切に使えば経費削減効果が大きくなるので、使える助成金の調査や費用回収シミュレーションしてから導入することをお勧めいたします。

現場オペレーションとの不一致

オーダー画面が複雑すぎて注文に時間がかかる・厨房に伝達が遅れるなど、システムが現場の実態と合わないとDXを導入しても逆に業務効率が下がることがあります。最初はレンタルできるツールなどを試験導入する、簡単に操作できるものを選ぶなど、現場の実態に合うDXツールを選ぶことが肝要です。

導入後のサポート・更新不足

導入後のサポート体制が不十分、OS更新や法改正(インボイス制度など)にシステムが対応できない場合、トラブルに対応できず再導入が必要になることもあります。サポート体制の内容や対応実績、今後のアップデート方針などを十分に確認してから導入しましょう。

まとめ

DXは業務プロセスの見直しや組織全体の意識改革を伴う、経営に直結する重要な取り組みで、競合店舗に対する優位性を確保できます。

DXを導入する導入にあたり疑問や不安を感じている方は、まずは資料請求や相談窓口へぜひお問い合わせください。

リ・プロダクツは飲食店の清掃業務向けの製品やサービスを手掛けており、顧客に寄り添った柔軟な提案を強みとしています。サービスの提供はもちろん、スモールスタートで伴走しながら着実にIT活用を社内に広めていくことが可能です。

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